石巻駅から歩いて3分。小さな稲荷神社やお店が連なる横丁に「日和キッチン」がある。大きなガラス張りの窓と木製のドア、店内の黄色の壁紙に窓から差し込む光があたたかい。

日和キッチンオーナーの天野美紀さん

日和キッチンオーナーの天野美紀さん

オーナーの天野美紀さんは、建築家として、もともと東京都内のデザイン事務所で仕事をしていた。震災直後、知り合いの建築家の誘いで石巻市にトレーラーハウスを運ぶボランティアを始めた。1ヶ月に2回、東京と石巻を高速バスで往復、市内の旅館やホテルを利用し、食事は居酒屋やコンビニで済ませていた。そんな時、商店街のあるお店の女将さんのところにお世話になった。「その時いただいたごはんがとても美味しくて・・・」天野さんはこのとき初めて味わった石巻の家庭料理の美味しさを忘れられないという。「地元の家庭料理をそのまま食べられるお店があればいいのに」と言う思いがふくらんだ。

ある時、牡鹿半島の鹿の話を耳にする。増えすぎた鹿を猟友会が駆除しているというのだ。試しにいただいた鹿肉を食べてみればこれがとてもおいしい。こんな美味しいのに石巻市内には鹿肉料理を食べさせるお店が見当たらない。

こうした思いが重なって、2013年の4月に家庭料理とジビエ料理の店「日和キッチン」をオープン。もちろん天野さん自身がデザインし設計した。基調色の黄色は稲穂を、青は海を表現している。「実家にいるような落ち着く雰囲気を出したい」ということから、開放的なオープンキッチンだ。

日和3ボランティア時代に不自由した経験から、営業日には東京からの夜行バス到着時間に合わせて朝6時30分から開店。「毎日食べる家庭料理・・・家のお母さんが子供に出すような・・・」と笑顔で語る天野さん。料理に使う材料は出来る限り地元のものを、鹿肉は牡鹿半島の猟友会の方から購入している。

オススメは「鹿ケフタ・カレー」。ケフタはモロッコの料理でミートボールのようなもの。口の中でふわっと広がる鹿肉の味は絶品。

鹿ケフタ・カレー

鹿ケフタ・カレー

「石巻は『食』が豊かなので、四季折々の旬の味を楽しみに何度もいらしてください!」
天野美紀さん、同性から見ても素敵な女性だ。

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