ハーモニカ煮と言うものがあるらしい。気仙沼の知人が、隠れたご当地グルメだと教えてくれた。何でも例のケンミンSHOWでも紹介されたらしいが、地元でも知らない人も多い。

気仙沼に着いた夜、知人情報にもとづいて「塩田」と言う店を探すが少し遠い。ホテルのフロント情報では福幸小町(仮設商店街)の2階にあるYと言う店でも出しているという。夜の町の取材はプレアツーリズム唯一の「オトナ」である私の担当だ。早速タクシーに乗り込んだ。

「ハーモニカ煮ってものを食べに行くんだけど、運転手さん知ってますか」「もちろん知ってますよ」とどんなものか説明してくれる。カジキ鮪(メカジキ)の背びれの付け根を煮たもので、コラーゲンたっぷり。海のスペアリブとも言われている。ヒラメでいう縁側の部位に当たるとのこと。

ほどなく目的の福幸小町に到着、運転手さんが「もし2階の店になっかたら、下のそこの店でも出してると思いますよ」と親切に教えてくれた。階段を上ったYは残念ながら大きな宴会の後で本日終了。さっきのアドバイスに従い階下の店、食事処・酒場「里」の扉を開く。和服に割烹着の女将さんがカウンターで迎えてくれた。

食事処・酒場 里

来訪目的を告げると「はいはいありますよ、どうぞどうぞ」。大ぶりのハーモニカ煮が登場。なるほどハーモニカに似ている。

里のハーモニカ煮

里のハーモニカ煮

香り立つ煮魚の汁。骨から外して身を口に運ぶ。しっとりとした柔らかい食感と優しい味付け。どこか懐かしい。地酒男山をいただきながら、女将さんの人生談義を聞く。震災前は港近くで“高級クラブ”を経営していたとか。

食事処・酒場 里

食事処・酒場 里の女将さん

帰りのタクシーの運転手さんにハーモニカ煮を知っているか聞いてみた。「知らないですね。何ですかそれ」。やはり隠れたご当地グルメらしい。

食事処 塩田

食事処 塩田翌日、前日断念した気仙沼市鹿折の福幸マルシェにあるお食事処「塩田」に行ってみる。ちょうどランチタイムで店内は賑わっていた。ここのハーモニカ煮はちょっと生姜が効いていて、ご飯によく合いそうだ。

塩田のハーモニカ煮

塩田のハーモニカ煮

忙しく働く店のお母さん(塩田容子さん)に話を伺うと、なんと震災前はお豆腐屋さんを営んでいたという。

塩田容子さん

塩田容子さん

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前夜は高級クラブから、今日はお豆腐屋さんから、それぞれ生業を変えてハーモニカ煮を出している店と出会った。気仙沼の夜に“私のハーモニカ煮”を探して探索するのも楽しいかも。

サメと並んで気仙沼が水揚げ日本一を誇るメカジキ。その背ビレが復興の一隅を照らしている。

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