ほぼ満席の店に入って、しばらくメニューなどを見ている間に、太田さんの驚くべきフットワークに気づく。すごい。動きが迅速で無駄がない。オーダーを聞く、料理や飲み物を出す、器を下げる、厨房に指示を出す、その間カウンターに座る私のインタビューに一つ一つ丁寧に応えてくれる。「人がいないんですよ」と人手不足を嘆く。この日は奥さんとアルバイトの3人で100人以上のお客さんをさばいている。本当は奥さんには家にいてほしいと思っている。

わいわい太田さんと奥様

わいわい太田さんと奥様

東京で知り合った奥さんの故郷陸前高田に来てしばらくの間、地元で繁盛している居酒屋でホールの仕事をしていた。知り合いも増え陸前高田になじんできたある日、自分で店を開くことを思いつき、半年後にはできていた。気軽に入れる家庭的な店づくりを目指してきた。

わいわい

わいわい

これが2009年の11月。わずか1年4ヶ月で3.11、すべて流された。しかし、持ち前のフットワークで7月には手づくりの暫定仮設店舗をオープン。さらに現在の「つどいの丘商店街」をすべて自ら計画、素人ながら方眼紙に線を引き、引き考えに考えた。2012年5月にはオープンに漕ぎ着けた。今は高田大隅つどいの丘商店街の事務局長をつとめる。

つどいの丘商店街

つどいの丘商店街

わいわいの名物が「なっちく」。ちくわに納豆を詰めフライにしたものをわかめのタルタルソースでいただく。懐かしいような、癖になるような、ふっと人を安心させるおいしさだ。そして陸前高田の7つの食材を用いたハンバーグ「がんバーグ」は、第2回復興グルメF-1大会の準優勝のメニュー。醤油味の和風だしで頂く、何とも優しい味だ。献立から一所懸命な気持ちが伝わって来る。

がんバーク

がんバーク

「災害は他人ごとではない。自分の身に置き換えて考えてほしい。自分で自分の身を守る、家族にもそれを言っています。ぜひ高田に来て話を聞いてもらいたいです。何でも話します」そう語る太田さん、2017年には新しい大型ショッピングセンターに新店舗をオープンさせる予定だ。

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