三陸地方は、親潮と黒潮が沖でぶつかる世界三大漁場の一つにあげられる海産物の宝庫です。東北のフードツーリズムを考える上で、その海の豊かな資源がどうなっており、どう生かすのかが鍵をにぎっているといえます。

東日本大震災の産業面での津波被害では、沿岸部に集積していた漁業と水産加工業が壊滅的な打撃を受けました。震災前、北海道に次ぐ全国2位の漁業生産量を誇っていた宮城県は現在、漁港や漁船が8割以上復旧したといえども、まだ震災前の状態には戻っていません。今回、気仙沼と石巻の魚市場を訪れたなかでも、ユニークな取り組みが印象的な気仙沼市魚市場を紹介します。

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人口7万人弱の気仙沼市ですが、生鮮カツオの水揚げ量は18年連続日本一であり、サメの日本の水揚げの大半を握っています。近海及び遠洋漁業の漁船が沢山停泊し、活気ある港の様相を示しており、震災からほとんど立ち直った風情が頼もしいものです。魚市場のあちこちでカツオ、サンマ、カジキが氷詰めにされ、手際よく発泡スチロールの箱に詰められ全国へ送られていきます。頭を切り落とされたサメが、沢山積んであると少しグロテスクなイメージですが、そのまま直接トラックに積まれて市場近くの水産加工工場に運ばれてフカヒレなどの食材に変化し、海外へも輸出するようです。市場2階の全長354mにも及ぶ見学デッキから、魚市場の状況が、何時でも誰もが見られるのは、非常にユニークで珍しい施設となっています。

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市場と併設してリニューアルされた「海の市」には、お寿司や海鮮丼などが食べられるレストランやお土産店、観光サービスセンターがあり、団体から個人までの観光客に対応しています。また、被災したサメの博物館「シャークミュージアム」も再建され、サメの生態に関する多面的な解説がされているのと共に、震災復興シアターとして気仙沼の復興に向け頑張っている人が映像で紹介されており、非常に心強い印象を与えてくれました。
漁港や水産業の復興はかなり進んできています。しかし、この復興を定着させ、災害前に戻すのには、過去と同じではなく、三陸の地域資源を生かした新たな取り組みが求められるのでしょう。

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