震災遺構については、後世に震災の教訓を伝えるモニュメントとして残すべきか、被災者の感情に配慮して取り壊すべきか、という難しい議論があります。

女川町では、旧女川交番を震災遺構として保存することになっていますが、ここでは全く別種の震災のメモリアルを紹介したいと思います。

それは、女川の商店や団体を紹介する一群のポスターです。プロの広告クリエーターの皆さんが、ボランティアで女川の個々の商店や企業のポスターを作成するというプロジェクトで、42の店舗、企業、団体について約200種のポスターが作成されました。2015年の2月から3ヶ月にわたって行われたポスター展は、地元はもちろん仙台や東京でも開催され、それぞれの会場ではお気に入りの一枚に投票する“総選挙”が行われました。

23fc617b8cae5e063c5c5897d6c18a5699587ddbbig女川の多くのお店では、このポスターが店内に張ってあります。どれも思わず膝を打つような面白さと、力のあるポスターばかりです。たとえば、総選挙第1位の串焼きたろうさんのポスターにはこんなコピーが。

「ツイッター? やってないけど つぶ焼くよ」

ここには被災地や被災者という暗さが微塵もありません。見ていると女川が全く違う町に、例えばとれたての魚のようにピンピン跳ねるように見えてきます。言葉と写真の力の偉大さを感じます。まさに震災の大いなる“偉稿”です。

女川を訪れて、実際のお店でホスターを眺めるのが一番です。おみやげに「女川ポスター展全集」もおススメ。

0185147f69d05591ad78399d52ea7ffde1f6cdcdstd<この事業は河北新報社 復興支援プロジェクト「今できることプロジェクト」の一環として行われ、電通関西支社の日下慶太氏がプロデュースしたものです>

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