南三陸から車で1時間半ぐらい走って、次にたどり着いたのが、蛤浜という海辺の小さな集落に震災後にできた「Cafe  はまぐり堂」であった。京都の町屋や奈良の民家を連想させるような、どこか懐かしい気がするたたずまいのお店である。

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独特の雰囲気を醸し出している玄関の襖を開けてすぐに思い浮かんだのが「禅茶一味」という言葉だった。この言葉の意は茶を飲むことは心を落ち着かせ自己を振り返る禅の境地につながるというものだが、まさにこのお店は、一杯のコーヒーやお茶を丁寧に味わい、築100年は経つと思われる家に包まれながら、静かに時間を過ごす場所かもしれない。

温もりのある部屋からテラス越しに海や丘を眺め、風に揺られる波や樹木の音に耳を傾けるだけでも徐々に心身が静まっていくのが感じられる。

お店のHPに「浜時間」という素敵な言葉が載っていた。仙台空港まで急ぐ私にとっては、「浜時間」は少し短かった。でもたとえわずかであっても自身の日常を振り返り、あるいは浜と共に生きてきた人々に思いをはせることができた貴重な時間となった。

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取材者:日本フードツーリズム研究会会員 王 静

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